スケープゴートタイプのアダルトチルドレンの恋愛傾向
スケープゴートとは「生贄の山羊」、アダルトチルドレンのタイプで言うスケープゴートとは自ら犠牲になって機能不全家族を救おうとするタイプ。
ここではこのようなスケープゴートタイプのアダルトチルドレンの恋愛傾向についてお伝えしています。
ライター:優子、早く結婚したいアラサーアラフォーのための婚活応援サイトスタッフ
スケープゴート:生贄の羊タイプのアダルトチルドレンとは
アダルトチルドレンは大きく5つのタイプに分けられると言われています。
- ヒーロー:英雄としてふるまって家族を丸く収める
- ケアテイカー:親の世話焼く子供
- ロストワン:存在を消して家庭を平穏にしようとする
- ピエロ:おどけたふりをして家族を和ませる
- スケープゴート:問題児
アダルトチルドレンの中でのスケープゴートの特徴的な言動として、本音ではやりたくもない問題行動によって家族を救おうとする、それが損な役回りだと知ってもやってのける、けれど本音を言うわけにはいかない理由があり、自らダメージをしょい込みながら存在意義を見出そうとします。
家庭の中で問題行動を起こして家族を結束させ、「この子さえいなければ家族は平穏なのに」というように思わせようとます。
するとスケープゴートは自分が問題行動を起こすと家族の仲を取り持てるのだ、という点に自分の存在意義を見出すわけです。
つまりスケープゴート自身は家庭環境の中で機能不全家族の親の未熟さを自らの問題行動で救おうとしているのです。
不良・厄介な人・トラブルメーカー・暴力を起こして周りに迷惑をかける人・・・こんな損な役回りをかって自分の身を捧げ、家族を守ろうとするわけですから、超絶な優しさと献身さを兼ね備えている人だと言えるのではないでしょうか。
スケープゴート型のアダルトチルドレンの傾向
スケープゴートタイプのアダルトチルドレンの傾向として言われるのは以下のとおりです。
- 損な役や悪者を引き受けた経験が多い
- 親からの愛情がどんなものかピンとこない
- 幼少のころに幸せな思い出がない
- 問題を引き起こして家族が平穏になったと感じた経験がある
- 自傷行為の経験がある
- 親・先生に反抗的と言われたことがある
- 攻撃的になることがある
- 自分の本音を言う人がいない・居場所がないと感じる
これらの言動の根底にあるのは、「自分が犠牲になればみんなラクになれる」という自己犠牲の思いです。
世間一般でいる非行やグレた学生は学校に一人や二人は必ずいますよね。。
スケープゴートの場合は親の問題を「問題児になって救おう」としているので、一概に不良などと片づけられるものでもない、問題行動を起こすにも根深い背景があるのだと考えさせられます。
スケープゴートが問題行動を起こすもっと根の深い部分
問題行動を起こすと当然周りから迷惑者扱いされてしまうのですが、家族の仲を取り持つために嫌われ役をかっている手前上は「自分がいい思いをしてはいけない」という思いが根にあります。
そして「問題行動を起こせば自分の存在に気付いてもらえる」といった健気な気持ちの裏返しも潜んでいます。
問題行動によって自分の存在に気付いて欲しいというSOSを投げているとは、つまり自分をもっと理解して欲しい・本当はとても苦しいから助けてという欲求が隠されているのです。
スケープゴート自身、本当のところでは別に問題行動などやりたくてやっているわけでもないんですよね。
誰もが分かる悪い言動と知っていてもやってのける例
仮病を使って両親からの注目を得ようとする子供はその例です。
仮病の場合悪いと知っていても、両親からの愛が感じられるならやってのける健気な気持ちがベースとなっています。
スケープゴートの問題行動は仮病で両親の目を引こうとする行為に似ていると言えば似ています。
自ら嫌われ役をかって家族の平穏を保とうとする働きかけは、やがて葛藤を生み複雑さを形成していくのです。
スケープゴートの問題の顕在化
家庭環境で誰にも自分を理解してもらえず、親からも愛されていないとなると、「他人は信用してはいけない」という防衛本能が強くなります。
このため、スケープゴート自身アダルトチルドレンにお馴染みの「信頼を前提とした健全なコミュニケーション」の感覚を欠いたコミュニケーションが当たり前です。
コミュニケーションが信頼で成り立っている、という事自体どういったことなのかがわからない。
自分自身のコミュニケーションが不信感で成り立っている、ということすら気付いていない。
これがスケープゴートに現れる問題のほとんど全てを物語っていると言えます。
スケープゴートのコミュニケーションは不信感が前提、コミュニケーションの相手に「信じてもらえていない」という印象を植え付け、あらゆる意味で損な役回りをしょいこんでしまいかねません。
しかしスケープゴートタイプのアダルトチルドレンは本音を洗いざらいぶちまける訳にはいかない。
本心を言ってみたところで自分が理解され望みが叶えられてしまえば、自分がいい思いをしてしまうことになってしまうため、決して本当の気持ちを言わないのです。
問題行動を起こして周りから叱咤を受け続けるのが日常となっているため、それがない日常に不安を感じると、自分の存在意義を見出せなくなります。
だから自分自身に罰を与えようとする行動に出るのです。
これがわざと問題行動を起こすといった言動に現れやすくなり、他には、アルコール中毒・摂食障害・拒食・リストカットなどの自分の体を痛める行為にも表れると言われます。
こうして社会生活で葛藤を抱えやすくなっていってしまうのです。
途方もなく悲しくなってくる・気安く同情することがどんなに失礼にあたってしまうか分かってしまうので、ただただ苦しくなりますね。
スケープゴートの恋愛傾向
スケープゴートはアダルトチルドレンのコミュニケーションの御多分に漏れず、根底に不信感がベースにあります。
他人は自分を裏切る存在である、という考えが全ての言動の元になっているのです。
特に恋愛においては「好意を持っている相手にどう接していいかわからなくなる」といった葛藤が生まれ、以下のような言動を起こし始めます。
スケープゴートタイプの恋愛傾向
- 好意を受けても返せない
- 信頼を寄せられると怖くなる
- 関係を崩壊させる言動をとる
コミュニケーションが不信感で出来ており、人から信頼されるとどう接していいかわからず恐怖でいっぱいになるので、それをひた隠しするために好意を持っている相手にすら荒々しく振舞ったり冷酷な言動を浴びせたりします。
スケープゴートの根は冒頭でもお伝えしたように超絶な優しさと献身さではあるのですが、自身を覆いつくしている他人への不信感から、好意に対して素直にもなれずどう接してらいいのかわからず、結果的に関係を崩壊させるという言動で自身を保つケースが多いように思います。
超絶な優しさと献身さを持つ自分をカミングアウトしてしまうと幸せが増え、「自分自身がいい思いをしてはいけない」という大前提から外れてしまいかねません。
そうするとスケープゴートの中で大きな葛藤が生じ、恋人に暴力をふるってしまう場合も少なくないのです。
スケープゴートの恋愛体験談の一例
私自身はケアテイカーやロストワンの傾向がわりと強いアダルトチルドレンで、昔交際していた男性にスケープゴートタイプを思わせる人がいました。
彼自身も「本当の自分の人格がわからない」というような発言をしていたのですが、社会人としての最低限の倫理性を持つキャラと、言葉で言い表せない複雑な人間性を持っていたように思います。
荒っぽい部分もあり、けれどとてもやさしい部分もある、憎めないタイプの男性でした。
ある日彼の部屋に遊びに行く約束をしていて、10分ほど早く到着してしまったもののまあいいかなと思ってインターホンを鳴らしたら・・・
鬼のような形相で玄関のドアを開け、自分の部屋に私を通して、ものすごい剣幕で私を罵倒し出したことがあります。
「早く来たのは悪いかもしれないけれどたった10分前なのに 恋人同士でそれが許されないって何?」と信じがたい思いがして命からがら逃げ、数か月の交際で関係を終わらせたのです。
何度か似たような経験はあって当初は気付かずにいましたが、今なら彼がスケープゴートタイプのアダルトチルドレンだったのかもしれないと思うところがあります。
自身彼を信じて10分時間が早まって家に遊びに行きましたが、彼自身はその信じるという行為に違和感をもったの「かも」しれないです。
※前述の通りスケープゴートの人間関係の基本は不信感・人を信じない、です
当時の私は即決で別れを選びましたが、彼が似たり寄ったりの言動をして周りから同じようなリアクションをされているのだろうと思うと、苦しいだろうなと思います。その彼はそんな言動をかっこいいと思っているところがあり、私自身は大人の人間としてその価値観を受け入れることはできませんでした。
私はケアテイカーとしての傾向が強いですが、同じACとしての括りで見ると彼自身もいろいろとしょい込んでスケープゴートを演じているのかもしれないと思うと、苦しくなります。